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  • 『人生と文学』書影

人生と文学

書誌情報

  • 東山拓志 著
  • 著者の愛読する詩文を通じて人生を考える「人生漫筆」と、文学の雑感を綴った「文学随想」から成る随筆集。
  • 1,450円+税
発行日
2006年6月21日
頁数
192頁
判型
A5判
仕様
並製(ソフトカバー)
定価
1,450円 + 税
ISBN
978-4-9902396-1-9
 

詳細目次

第1章 人生漫筆

1 帰らざる川

マリリン・モンロー / 逝くものは斯くの如きか / 万葉集の「川上の嘆」 / 空海や頼山陽の感慨

2 生き方を考えるとき

死して後已む / 事を成すは天 / 人事を尽して天命を待つ / 天命とは何か / 勝者と敗者 / 滄浪の水

3 死について

死は休息なり / 死を恐れず悲しまず / 自分なりの死に方 / 死の実感 / 天寿と非命 / 長寿と短命 / 長い老後 / 死後の世界/ 安楽死と尊厳死

4 金の魔力

金力の善悪 / 足るを知る者は富む / 富貴天に在り / 成り金と阿堵物 / シンプルライフ

5 私自身の老荘思想

儒教のアンチテーゼとしての老荘思想 / 物事の相対性 / 無用の用 / 是か非かの議論 / 知者は言わず、言う者は知らず / 差別のない究極の境地 / 逆説のわな

6 『菜根譚』の処世訓

権勢名利に近付いても染まらず、権謀術数を知っても使わず / 逆境は薬、順境には落し穴 / しり馬に乗るべきでない / 人生、苦楽、悲喜、禍福など / 貴賤、名利、栄辱、清濁など / 思いやり、最悪への備え、寛容、自律など / 役立つ世渡りの智恵

7 漫読漫語

○日本刀の歌と『遊仙窟』 ○人は固より一死有り ○毀誉褒貶に超然  ○寵辱、驚かず ○口を開いて笑わざるは是れ痴人 ○千万人といえどもわれ行かん ○漢訳仏典 ○蘇曼殊とはいかなる人ぞ ○シェークスピアとラム ○貴と無く賤と無く、同じく枯骨と為る ○渾然一体の思想 ○ピンチ とチャンス ○禍福について ○自らに勝つ者は強し ○サミュエル・ジョンソンの手紙 ○森林太郎 ○窃盗と諸候 ○小さな政府 ○富みと地位 ○道は近きにあり ○「知は力なり」について ○楽しみ極まれば悲しみ生ず ○試練と大任 ○人の将に死なんとするやその言うこと善し ○実存主義なるもの ○幸せとは何か ○幸せの実感 ○憂患に生じて安楽に死す ○虚名を追う者 ○「有」と「無」 ○性善説と性悪説 ○漢詩英訳余談(1) ○漢詩英訳余談(2) ○空海の漢文 ○鬼才の詩人李賀 ○個人主義と利己主義 ○夕陽限り無く好し

第2章 文学随想

1 『紅楼夢』を再読す

作品と作者 / 「紅迷」と「紅学」 / 紅楼夢の翻訳 / 作者のメッセージ

2 志士の辞世——幕末と清末

同じ危機に直面する幕末と清末 / 宋の忠臣岳飛を慕う橋本左内/ 『留魂録』で門弟に後事を託した吉田松陰 / 亡命を拒絶した急進思想家譚嗣同 / 悲憤慷慨の侠女秋瑾

3 『浮生六記』のあれこれ

『浮生六記』との出会い / 最初の3巻に愛妻が主役 / 巻4の旅を飾る水上花街 / 滕王閣と黄鶴楼と赤壁 / 存在の証し

4 北村透谷と雲井龍雄

自由民権運動に直接参加した文学者 / 幕末志士の詩文に激発された透谷の憂国慨世 / 幕末随一の詩人雲井龍雄 / 近代文学の先駆けとしての透谷の詩と評論

5 郭沫若と郁達夫

文学活動の出発点——創造社 / 「芸術のための芸術」から「革命文学」へ / 離合集散の繰り返し / 人生や文学を論じ合う『三葉集』 / 様々な業績と評価 / 「誰か論ぜん身後の名を」

6 ソルジェニーツィンの帰国に思う

ロシア文学 / 反体制派のリーダー / ヒーローでない一面 / 文学統制の崩壊

7 袁枚という詩人

官界から引退 / 白楽天との比較——酒と仏教 / 白楽天との比較——引退と政治批判 / 好色家か、フェミニストか / 詩と詩論 / 生前と死後の評価

あとがき