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  • 『漢詩の作詩技法と鑑賞』書影

漢詩の作詩技法と鑑賞

書誌情報

  • 東山拓志 著
  • 作詩と鑑賞の見地から漢詩の音韻や修辞に関する種々の技法を歴代名作の実例で具体的に解説。漢詩愛好家必携の書。
  • 2,600円+税
発行日
2006年12月23日
頁数
240頁
判型
A5判
仕様
並製(ソフトカバー)
定価
2,600円 + 税
ISBN
978-4-9902396-3-3
 

詳細目次

第1章 漢詩概説

1.『詩経』から魏晋南北朝の詩まで

I 『詩経』と『楚辞』 / II 漢・魏・六朝の詩 / III 詩論の構築

2.唐代の詩

I 初唐 / II 盛唐 / III 中唐 / IV 晩唐

3.宋代の詩

I 北宋と南宋の詩 / II 晩唐・五代と宋代の詞

4.元・明・清代の詩

I 金・元・明詩 / II 清詩の三大流派 / III 詩界革命

5.日本の漢詩

I 王朝・五山時代の漢詩 / II 江戸時代の漢詩 / III 明治以降の漢詩

第2章 近体詩——絶句と律詩

1.押韻と平仄

I 漢詩の押韻 / II 四声と韻書 / III 現代中国語音と「中華新韻」 / IV 律句平仄式の基本型 / V 平仄の口訣とその問題点

2.絶句・律詩の平仄式

I 主要規則 / II 五言絶句 / III 七言絶句 / IV 五言律詩 / V 七言律詩

3.対句

I 近体詩の対句 / II 対句の基本類型 / III 絶句にも対句 / IV 前・後三対格の律詩 / V 全対格の絶句・律詩 / VI 律詩の偸春格 / VII 対句のない律詩

4.起承転結

I 起承転結という作法 / II 絶句・律詩の起承転結 / III 起承転結をめぐる賛否両論

5.「同字の禁」のナゾを解く

I 「同字の禁」のナゾ / II 詩の展開に必要な同字 / III レトリックとしての同字 / IV 「同字の禁」の指す同字

6.拗句救拯のための「救拗」

I 救拗 / II 拗句の救拯 / III 救拗のパターン / IV 拗体と失粘 / V 拗体律詩

第3章 古体詩と詞

1.古体詩の種類

I 四言・五言・七言・雑言 / II 楽府・歌行・古絶 / III 柏梁体と聯句

2.古体詩と近体詩との違い

I 平仄と押韻と対句 / II 判定の基準

3.詞の形式

I 詞と詞牌 / II 詞の平仄と押韻と対句

第4章 作詩・鑑賞関連の諸問題

1.同一文字連用のレトリック

I 白居易の詩から見た同字連用のレトリック / II 「銜字対」と「掉字対」の応用 / III 畳語と連珠対 / IV 同一語句の反復——相対 / V 同一語句の反復——接続

2.種々の救拗

I 句中救拯 / II 聯中救拯 / III 一石二鳥の救拯 / IV 救拗の基本原理 / V 複合救拯 / VI 孤平・平三連と孤仄・仄三連 / VII 七言第1字の平仄

3.借韻と通韻

I 借韻と通韻の違い / II 近体詩の借韻 / III 近体詩の通韻 / IV 寛韻と窄韻

4.出韻と両韻

I 出韻の問題 / II 「中華新韻」と出韻 / III 両韻の問題

5.唱和——和詩と和韻

I 和詩と和韻 / II 頼山陽と梁川星巖の次韻詩 / III 森鴎外の次韻詩

6.漢詩のリズム

I リズムと意味構造とのズレ / II 五言の場合 / III 七言の場合

7.声韻のズレ

I 実際の語音とのズレ / II 漢詩の「異読」

8.借対

I 借音対 / II 借義対 / III 夏目漱石の借対

9.対句のあれこれ

I 実字と虚字 / II 同類対と異類対 / III 合掌対と同体対 / IV 当句対の応用 / V 双声対と畳韻対 / VI 隔句対と交股対

10.省略と倒置

I 語句の省略 / II 倒置のパターン / III 複雑な倒置

11.詩句の構造

I 詩句と複文 / II 1句の複文 / III 流水対 / IV 2句から成る複文 / V 2句から成る単文

12.詩語の活用

I 詩語の活用と翻案 / II 換骨奪胎と「点鉄成金」 / III 詩語の活用(杜甫の場合) / IV 詩語の活用(蘇軾の「青山一髪」) / V 詩語の活用(良寛の場合) / VI 詩句の借用と集句詩

13.漢詩の用典

I 漢詩と用典 / II 用典の得失 / III 用典の成敗 / IV 隠し典故 / V 典故の翻訳

14.苦吟と改詩

I 苦吟 / II 推敲と錦嚢詩と「閉門覓句」 / III 改詩 / IV 改詩の実例(張継と王安石) / V 改詩の実例(頼山陽と夏目漱石) / VI 詩眼と一字の師

15.漢詩の詩題

I 漢詩特有の詩題 / II 寄・贈と酬・答と和・示 / III 題と書と戯 / IV 憶・思・懐・念と哭・悼と感・遣 / V 送・別・逢と宿・泊・過・登・望・遊と尋・訪 / VI 賦得と分題・探題と分韻 / VII 口号・口占と偶作・偶成と即事 / VIII 「無題」の詩 / IX 詩句の一部または全部を詩題に

第5章 漢詩の鑑賞

1.五言絶句

I 李白の「秋浦の歌」 / II 王維の「鹿柴」

2.七言絶句

I 王安石の「夜直」 / II 蘇軾の「湖上に飲し、初め晴れ後に雨ふる」

3.五言律詩

I 白居易の「古原の草」 / II 李商隠の「涼思」

4.七言律詩

I 杜甫の「登高」 / II 杜牧の「宣州開元寺水閣に題す」

第6章 漢詩の作詩プロセス

1.作詩の準備

I 初心者向きの詩体 / II 詩語の蓄積 / III 声韻の把握

2.作詩の実際

I 作詩の第一歩 / II 詩句の組み立て / III 造語は禁物 / IV 題のつけ方

3.作詩後の確認と点検

I 平仄と押韻の確認 / II 全般的な点検

附録

附録I

1.絶句・律詩の平仄式 / 2.救拗

附録II

1.簡易韻字表 / 2.韻目表(平水韻)

附録III

看雲樓詩鈔 バージョンI / バージョンII / バージョンIII

あとがき